はじめに

大分県臼杵市の北条塗装店の創業物語

私が器の小さな塗装屋店主になったきっかけ

↓ 以下少々長いです。


「北条さんっちあんたはどこんしなん?」(*大分方言でどこの人?)とよく聞かれます。
「戦国武将の子孫」ではありません。
父は大分県佐伯市、母は大阪の出身で私の旧姓は木許と言います。
私が高校を卒業する頃、父と母が離婚した事で母方の姓を名乗っています。
父がもともと昔ながらの塗装職人で、自分が請けおった仕事は自分以外の人には手を出させない。
他の職人の道具は使いたくない、自分の道具は貸したくない、とかいうタイプで
ご近所の人や同業の職人から変わり者扱いされていたそうです。

私 父

今じゃ珍しいですが一年の仕事納めの日に必ず刷毛にお神酒をかけて手をあわせていました。
当時はバブルの頃で建築ラッシュです。それに伴い、時間をかけず「早い仕事」が求められており
ちまちました事をやっていたら儲けられない。というのが常識で
よその職人さんが「○○棟現場をこなした!」と
自慢気に語っているのを馬鹿馬鹿しく思いながらも、縁のあったお客さんからのお世話だけで
なんとか仕事を切らさずひっそりと営んでおりました
しかし、頑固すぎて見積り以上の仕事をするくせがあり
いつも家計は赤字で、喧嘩は耐えませんでした。



右が私で左が父です

私は中学生の頃から父の手伝いで刷毛を握らされてましたけど「塗装」には全く興味がなく、
もっと「ビジネス的」な仕事がしたいと思ってました。
離婚後、母についていき(大阪に)求人誌を見た時に「あなたもできる月給30万!」
の文字が目に止まり 当時19歳、
そろばん4級の資格しかもってない私は応募して面接しました。訪問販売の仕事と知らずに(^^;
わけがわからぬまま合格。仕事内容は大阪や神戸などの住宅地にピンポン押して外壁塗装の
見積りアポイントを とってこい!というものでした。
「○○モニターを募集してるから、、」とかいうありがちなやつですが
大量生産型A型人間な私には朝から晩までそんなことやるのは苦痛で仕方ない為、
いつも公園で休んでたのを今でも記憶してます。基本給30万もらったら即辞めたる、、と
勤務4日目にして思いました。

1ヶ月間社長の冷たい視線を感じながら耐えて、住みなれた大分県へと一人で帰りました

車中生活をしながら、どうしようか? と思い、
大阪で1ヶ月かじった塗装の営業ならできるかも?という成り行きで
またしても同じ様な会社に入りましたが、営業は向かんなっということで塗装職人になりました。
途中で親父と同じ仕事をしてる事に、この時気がつきました(笑) 中学の頃から親父に手伝いをさせられてたので、
そこらへんのおっちゃんには負けんぞ、と思ってましたが
やはりそんな甘いもんではなかったみたいです。
そんな時その会社の営業マンが足りず、少々営業をかじった事のある私が
代理で見積り・商談までする事になり 無理だろぉと思いながら、しどろもどろでしたが、
施主さんは「あんたに任せるわ」とお仕事をくれました。
今でも思いだしますが帰りの車に乗る時、鍵を持つ手が震えたのを覚えています。
そのお宅は、もちろん自分で施工しましたが、今までとは違う責任感があった気がします。

当時24歳、独身でしたが親父の言う「職人の意味」が少しわかった気がしました。。
それからは、大手の塗装会社、個人の塗装屋さん と「延べ9社」渡り歩き、「業界の実情」みたいなものも
たくさん目にしました。「営業」と「職人」がわかりあえない理由  「元請」と「下請け」の関係性
100万の工事代金の内の50万しか下請けに払われてないのも
業界の性質上仕方のない事かもしれません
ある大手の塗装会社の社長さんは言いました。「営業は塗装の事はド素人のほうが売れる!」と
その意味も仕事の中身を知れば知る程、わかりました。
「仕事のセオリー」を知ってしまうと、気分的に嘘が言えません。恐らく訪問系の業者の営業の方は
刷毛すら握った事のない人がほとんどなハズです?

そんな中、神奈川県の曽根塗装店さんのホームページを知り、衝撃を受けました。
私が今まで見てきた仕事ってなんだったんだろう!
と思うくらいの凄まじい施工レベルです。「職人」とはこの人の事だな。と確信しました。
と、ともに、こういう仕事ができたら職人として幸せやろな、と羨ましくも思いました。

その方も自分でHPを作成し、自分で1軒ずつ施工、という体制でやってるみたいです。
「それに近ずける仕事がしたいな」それにはどうするか? まず大手の会社だとあんな適正な仕事は無理!絶っっ対ムリ!
「何人か雇って自分が営業だけする」それも無理! 
なぜかというと、 クソ真面目にやる=人件費が莫大=見積りが高額。となって、おそらく受け入れてもらえないでしょう。
最終的にいきついた結論が、 「営業=私、施工=私+父+も1人」 というスタイルです。
この場合、私も毎日作業に入り自分の分も日当計算に入るので
利益はそんなに多くとらなくても大丈夫です。
とにかく宣伝経費やら工事費に関係ないものは徹底的にせこく!とやってます。
臼杵の大泊にある事務所や倉庫も節約の為と勉強の為、
2ヶ月かけて父と私で基礎から作りました(素人なので苦労しました)(^^;

事務所・倉庫

と,まぁこんな感じの得も知れぬ塗装店で、ネームバリューや金額だけしか興味のない方には
見向きもされないお店だと思いますが、
「自分なら自分に仕事を依頼したいか?」と自問自答しながら
1軒1軒の施工に取り組んでいきたいと思っています。

このHPを作ったきっかけ

以前お世話になっていた塗装会社のHPは専門業者に
制作を依頼してありました。基本的に毎月5万円くらいの経費がかかります。
それから少し内容を変更したり、オプションでトッページをいじったりすると
その都度費用が発生します。これはあたりまえの事です。プロですから
そんなお金を払える程,儲かる商売でないと思っております。


大分県(当店所在地の臼杵市)はインターネットで塗装屋を検索する。という文化は
ほぼありません。私のHPに訪れるのは他県の同業者さんばかりです。
地元に住んでる施主さんは「付き合い」や「訪問業者」で仕事を依頼するパターンが
多く、なんじゃそりゃ?っていう仕事でも「やっぱ地元の職人やなあ」と評価されます。

仕事の精度や中身はどーでも良くても、「イメージ」と「フィーリング」が合えば
よっぽど、あこぎな事をしない限り30年40年やっていけちゃう
(ある意味)美味しい商売です
私が見積りに伺った先で、始めに言われる事は「だいたいいくらなん?」が
上位を占めて「○○塗料」で塗ったらいくらなん?がその次を占めます。
、、で他店の激安チラシを捨てずに取ってる方は、それ以上知ろうとしません。
私は営業経験がバリバリあるので、人と話するのは好きだし、説明もそれなりできます
が、、それでも仕事の中身を言葉と紙面で伝えるのは100%無理と確信しました

それだけに営業力の無い職人さんが消費者の無知につけこんで
「受注するには安くするしかない!」と
「なんじゃそりゃ仕事」を勧めてしまうのは仕方ありません。

インターネットは信用ならんっていう施主様も多いですが、
私から言わせれば、得体の知れない物を得体の知れない価格で発注する人
よりだいぶマシじゃないか?と思っています。
そういう既成概念にとらわれない貴方が参考になるような内容を
ぼちぼち作っていきたいと思っております。

   
*iphone アプリ 開発
*スマートフォン 開発